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2010年7月1日 株式会社サイバースター サロンジョブ編集局
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灰谷幸のお仕事コラム

Vol.8隠れプロフェッショナル<2> 「店の客を増やすには…」

■クルーズ船で大阪の道頓堀川をプチ遊覧する「とんぼりリバークルーズ」という船遊びがある。乗船料は大人700円で、ゴールデンウィーク中は、戎橋商店街の金券300円分がもれなくついてきた。

■夜9時過ぎ、戎橋商店街のみやげ物屋の前で、店主と立ち話をしていたら、カップルが何やら話かけてきた。訊くと、昼間にもらった金券を、この店で使いたいらしい。しかし、店はレジを締めたあとで、シャッターも半分降ろしている。店主は、すぐ近くの道頓堀店なら10時まで開いていると伝え、「良かったら、そちらへ行ってください」と、すまなさそうに勧めた。姉妹店に行ってほしいという気持ちはわかるけど、「戎橋商店街の金券は、道頓堀店では使われへんやん」と、ワタシは内心思った。店主も気づいていたようで、自分のヨレヨレの財布を取り出し、カップルが持っていた金券600円分を現金に交換。ふたりは嬉しそうにお礼を言って立ち去った。「金券やクーポン券を現金に換えてくれる店なんて、聞いたことも見たこともないわ。もしかしたら、あのまま帰ってしまうかもしれないですよ」と、わざと意地悪を言ってみた。店主は、「せやけど、喜んでくれはったからいいやん」と、のんきに返してくる。

■みやげ物屋に来る大半の人が観光客。大阪で見たもの、食べたもの、買ったもので得られる感動は重要だ。それとは別に、「大阪に住む人・働く人とのコミュニケーションによって生まれる感動」もその街の印象を左右する。確かに、「旅館の人が親切だった」とか、「地元の学生が丁寧に道を教えてくれた」といったことは記憶に残りやすい。それが、街のイメージになり、「また行きたい街」になることも多い。

■客の大半が観光客だからこそ、店に来てもらうには、まず、街に来てもらわなければ…。自分の店の良し悪しだけでなく、大阪の街の良し悪しにまで心を砕いている店主。財布と同様にヨレヨレ感がある風貌に、キリリとしたプロの信念が満ちあふれていた。

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